menu

360~660cm 流し・コンロ・冷蔵庫の作業動線

キッチンは住まいの中で、主婦にとって一番関心の高い場所です。明るく、広く、収納スペースをたっぷり、といったところが、キッチンに対する希望のベスト3だと思いますが、広さと収納力さえあれば使いやすいキッチンになるのかといったら、必ずしもそうではないのが現実です。使いやすいキッチンを計画するためには、下ごしらえから調理、配膳、後片付けにいたる作業動線にかなった配置と、使用頻度に基づいた収納計画がポイントになります。 具体的には、ワークトライアングル(作業の三角形)という考え方があり、図1のように、流し・コンロ・冷蔵庫の中心を結んだ三角形の長さが、360~660 cmの間に収まるようにすると良いとされています。横一列に長いキッチンや、やたらと作業スペースが広いキッチンは、かえって疲れるのです。


 

調理台の高さは?

調理台の天板の高さは、80cmと85cmが標準ですが、主に使う人の身長が157cm以上なら、高い方を選びます。(身長÷2+5cm が理想の天板の高さになります。ご注意としては、肘よりも手先の方が下がる位置でないと水滴が肘の方に垂れてきてしまいます。) 天板の高さを選ぶには、ショールームなどで実際の高さを体験するのが一番分かりやすいのですが、その時履いている靴の高さや、普段家の中で履くスリッパの高さなども考えながら検討しましょう。


 

天板の奥行きは?

天板の奥行きは55~75cmまで5cm刻みであります(メーカーにもよります)。奥行きがある方が作業台が広く、使いやすいように思われがちですが、奥に出窓があるような場合、窓まで80cm以内になるようにしておかないと、開閉が不自由です。また、背後の空きは75~90cm(理想は90~105cm)必要ですから、台所の広さやプランニングに合わせて選んで下さい

 

調理器具の収納場所

理器具の収納場所は、使う場所の近くにしまうのが基本です。毎日使用する頻度の高い物は、床から60~160cmの、手の届きやすい場所に収納出来る様に計画します。長い吊戸棚を有効に使うと良いのですが,流しや作業台前に、あまり奥行きの深い棚が下がってくると、洗い物やパン生地をこねるような力仕事の邪魔になります。ここには、調味料や洗剤を置くための浅い棚を作っておくと便利です。
キッチンスペースを広く取れない場合、とかくキッチンセットや収納家具をいっぱいに収めるような計画を立てがちですが、ゴミ箱や使用中の炊飯器を置くスペースなど、自由の利く部分を少し残しておいた方が、使い勝手は良いようです。

 

最後に・・・

キッチンのリフォームに関しては、主婦の方々にとっては非常に身近な事で、他のリフォーム部分に比べて、いろいろなご希望やアイデアが沢山出てきます。しかし、数多くのキッチンリフォームをしているリフォーム業者にとっては、「ご希望通りにリフォームしたら使いにくくなるんじゃないかな?」と思うような時もあります。キッチンリフォームは他のリフォームに比べて多くのお金が掛かる場合がほとんどですから、その分失敗は許されません。今まで温めてきたご希望やアイデアに、リフォーム業者の意見をプラスして、再度プランニングをする必要があると思います。