最近の新築マンションの間取りでは、昨今の生活スタイルの変化から和室を取り入れないものも多くみられます。ただ、少し前の時代の間取りでは、2DK、2LDK、3LDKなど多くの場合、洋室と続き間の和室、もしくは単独でも一部屋は和室を含むというのが日本的な間取りのスタイルでした。最近のお客様からのお問合せを見ると、室内段差の面、ダニやハウスダストの面などから、多いのが和室から洋室へのリフォームのお問合せです。ここでは、その方法を色々と検討していきましょう。
① 畳の下は?
和室を洋室に変更する工事を行う場合、まず畳の下がどうなっているかによって工事金額が変わってまいります。比較的多い仕上りは、コンクリート面かコンパネといわれる木材のケースです。この場合、下地の高さは他のお部屋と変わりませんので、そのままフローリングを施工していくか、もしくは、建具の枠の高さを変えない場合は高さを調整してあげてフローリングを施工していきます。また他には、畳をあげると発砲スチロールが置いてあり、さらにその下に砂がひいてある場合もあります。この場合、発砲スチロールと砂を撤去して、大工さんに床の下地を改めて組んでもらう必要がありますので、費用が余計に掛かってしまいます。
② 床の仕上げをどうするか?
和室を洋室にリフォームする場合、問題になってくるのが床の仕上げです。まず段差の面からはよほど手の込んでいる造りでない限り、和室の床面は洋室よりも畳の厚さの分高くなっております。ですので入口の枠材、間仕切建具の枠材なども、畳の厚さに併せて作っておりますので、3~5cm床面より高くなっております。お金を掛けない方法としては、畳を撤去した後、そのまま床材を張ってしまうと、枠の高さが高すぎますので、ベニア材を捨て張りする事によって高さ調整し、仕上げ材を張った時に、ちょうど良い高さになるよう施工します。この場合段差の解消はできませんが、枠材に手を付けませんので、費用も比較的安価ですみます。こだわりたい方は、枠なども高さをあわせる方法があります。この場合、他のお部屋と床面の仕上りを同じにする為、今までの建具、枠が使用できなくなります。枠材から交換する為には、建具が面している壁面も手を入れる必要が出てきますので、工事としては大掛りになります。ただ、仕上った時に、床面の高さがバリアフリーになりますので、高齢者の方がいらっしゃるご家庭や、将来的にバリアフリーで対応しておきたいとお考えのお客様は、やはり工事しておいた方がいいでしょう。次に仕上りの面ですが、壁や間仕切などで、縁が切れていればよいのですが、リビングと隣接する和室を洋室にしてリビングを広げたいというケースなどでは、既存の床材との関係が問題になってきます。フローリング材を例にとると、比較的新しい物件のご相談であれば、仕様書などから同じ、メーカー、種類のフローリング材が見つかる可能性がありますが、年数が経っていると、様々なメーカーから色々な種類のフローリングが発売されておりますので、まず同じものを見つけるのが困難であり、見つかったとしても廃盤になっていた、なんていうケースもよくあります。また、仮に同じものが見つかったとしても、生産された時期により、品番は同じでも、色味や模様が大夫違うというケースもありますので、注意が必要です。簡単に施工する為には、床に見切り材を入れてしまいます。こうする事によって色が若干違うのもそれ程違和感なくおさまります。こだわりたい方には少し費用がかさみますが、既存のフローリングも同色のものに張替えていただくと統一感が出ますし、雰囲気もがらっと変わります。
③ 天井の仕上げをどうするか?
和室の天井は多くの場合、目透かし天井か、板目調のクロスで仕上げております。クロスの場合貼り替えればよいのですが目透かし天井の場合、躯体から下がっている事が多く、手で押すと動いてしまう場合があります。その場合は、クロスを貼る時に同様に動いてしまいますので、できれば薄いベニアを下地として張ってしまい、その上にクロスをはるとよろしいかと思います。廻りに残ってしまう廻り縁は塗装で仕上げれば目立たなくなりますが、こだわりたい方は一度、天井を全て撤去して作り替えれば、全く違和感なく仕上げる事が可能です。
④ その他の仕上げについて
その他の部分につきましては、畳の廻りに少し木が見える場合(畳寄せ)後から取付けている場合は取り外せばいいだけですが、壁の中に埋めこまれいる場合がございます。この場合、壁面の補修費用がかかってきます。また同じような木を巾木風に取り付けて塗装で仕上げれば木巾木の雰囲気を出す事も可能です。窓枠に関してはやはり塗装をして雰囲気を変えるか、もしくは取り外して洋風の窓枠を取付けるかなど方法がございます。押入れに関しましては、扉をクロゼット用を取り付けて内部も作り替える方法と、襖だけ洋風に作り直しあまりご予算を掛けずに施工する方法があります。壁はクロスで仕上っている場合はその貼り替えだけですみますが、ジュラク壁のように塗り壁仕上げの場合、壁を全てパテをかけ、平らにしてクロスで仕上げる方法になるでしょう。
⑤ 最後に
今まで様々な方法を見てきましたが、仕上げに徹底的にこだわりたい・和室の雰囲気を一切残したくないという方もいらっしゃれば、少し和風の部分が残ってもいいから予算を安くしたいという方もいらっしゃられると思います。現地の状況などによっても金額は変わってまいりますので、お気軽に営業にご相談いただければと思います。